要求事項

 

 

IATF 

  169492016

         

自動車産業品質マネジメントシステム規格-

自動車産業の生産部品及び

関連するサービス部品の組織は対する

品質マネジメントシステム要求事項

 

 

目次

まえがき一自動車産業QMS規格7

歴史8

到達目標8

認証に対する注意点8

序文10

0.1一般10

0.2 品質マネジメントの原則10

0.3 プロセスアプローチ11

0.3.1一般11

0.3.2 PDCAサイクル11

0.3.3 リスクに基づく考え方12

0.4 他のマネジメントシステム規格との関係12

品質マネジメントシステムー要求事項14

1 適用範囲14

1.1適用範囲-ISO90012015に対する自動車産業補足14

2 引用規格14

2.1 規定及び参考の引用14

3 用語及び定義15

3.1 自動車産業の用語及び定義15

4 組織の状況19

4.1組織及びその状況の理解19

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解19

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定19

4.3.1品質マネジメントシステムの適用範囲の決定-補足20

4.3.2 顧客固有要求事項20

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス20

4.4.1. 20

4.4.2. 21

5 リーダーシップ22

5.1リーダーシップ及びコミットメント22

5.1.1一般22

5.1.2 顧客重視22

5.2 方針23

5.2.1品質方針の確立23

5.2.2 品質方針の伝達23

5.3 組織の役割,責任及び権限23

5.3.1組織の役割,責任及び権限-補足23

5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限24

6 計画25

6.1リスク及び機会への取組み25

6.1.1及び6.1.2. 25

6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定26

6.2.1及び6.2.2. 26

6.3 変更の計画27

7 支援28

7.1資源28

7.1.1一般28

7.1.2 人々28

7.1.3 インフラストラクチャ28

7.1.4 プロセスの運用に関する環境29

7.1.5 監視及び測定のための資源29

7.1.6 組織の知識31

7.2 力量32

7.2.1力量-補足32

7.2.2 力量一業務を通じた教育訓練(OJT32

7.2.3 内部監査員の力量32

7.2.4 第二者監査員の力量33

7.3 認識33

7.3.1 認識-補足33

7.3.2 従業員の動機付け及びエンパワーメント34

7.4 コミュニケーション34

7.5 文書化した情報34

7.5.1一般34

7.5.2 作成及び更新35

7.5.3 文書化した情報の管理35

8 運用37

8.1 運用の計画及び管理37

8.1.1運用の計画及び管理-補足37

8.1.2 機密保持37

8.2 製品及びサービスに関する要求事項37

8.2.1顧客とのコミュニケーション37

8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化38

8.2.3 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー38

8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更39

8.3 製品及びサービスの設計・開発39

8.3.1-般39

8.3.2 設計・開発の計画39

8.3.3 設計・開発へのインプット40

8.3.4 設計・開発の管理42

8.3.5 設計・開発からのアウトプット43

8.3.6 設計・開発の変更44

8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理45

8.4.1一般45

8.4.2 管理の方式及び程度46

8.4.3 外部提供者に対する情報48

8.5 製造及びサービス提供49

8.5.1 製造及びサービス提供の管理49

8.5.2 識別及びトレーサビリティ52

8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物53

8.5.4 保存54

8.5.5 引渡し後の活動54

8.5.6 変更の管理55

8.6 製品及びサービスのリリー57

8.6.1製品及びサービスのリリ-ス-補足57

8.6.2 レイアウト検査及び機能試験57

8.6.3 外観品目57

8.6.4 外部から提供される製品及びサービスの検証及び受入れ58

8.6.5 法令・規制への適合58

8.6.6 合否判定基準58

8.7 不適合なアウトプットの管58

8.7.1. 58

8.7.2. 60

9 パフォーマンス評価62

9.1監視,測定,分析及び評価62

9.1.1 一般62

9.1.2 顧客満足63

9.1.3 分析及び評価64

9.2 内部監査64

9.2.1及び9.2.2. 64

9.3 マネジメントレビュー66

9.3.1一般66

9.3.2 マネジメントレビューへのインプット66

9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット67

10 改善69

10.1一般69

10.2 不適合及び是正処置69

10.2.1及び10.2.2. 69

10.2.3 問題解決70

10.2.4 ポカヨケ70

10.2.5 補償管理システム70

10.2.6 顧客苦情及び市場不具合の試験・分析70

10.3 継続的改善71

10.3.1継続的改善-補足71

附属書Aコントロールプラン72

附属書B:参考文献74

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

序文

Contents
  • 1. 0.1一般
  • 2. 0.2 品質マネジメントの原則
  • 3. 0.3 プロセスアプローチ
    • 3.1. 0.3.1一般
    • 3.2. 0.3.2 PDCAサイクル
    • 3.3. 0.3.3 リスクに基づく考え方
  • 4. 0.4 他のマネジメントシステム規格との関係
  • 5. 1.1適用範囲-ISO90012015に対する自動車産業補足
  • 6. 2.1 規定及び参考の引用
  • 7. 3.1 自動車産業の用語及び定義
  • 8. 4.1組織及びその状況の理解
  • 9. 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
  • 10. 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
    • 10.1. 4.3.1品質マネジメントシステムの適用範囲の決定-補足
    • 10.2. 4.3.2 顧客固有要求事項
  • 11. 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
  • 12. 5.1リーダーシップ及びコミットメント
  • 13. 5.2 方針
    • 13.1. 5.2.1品質方針の確立
    • 13.2. 5.2.2 品質方針の伝達
  • 14. 5.3 組織の役割,責任及び権限
    • 14.1. 5.3.1組織の役割,責任及び権限-補足
    • 14.2. 5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限
  • 15. 6.1リスク及び機会への取組み
  • 16. 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定
  • 17. 6.3 変更の計画
  • 18. 7.1資源
    • 18.1. 7.1.1一般
    • 18.2. 7.1.2 人々
    • 18.3. 7.1.3 インフラストラクチャ
    • 18.4. 7.1.4 プロセスの運用に関する環境
    • 18.5. 7.1.5 監視及び測定のための資源
    • 18.6. 7.1.6 組織の知識
  • 19. 7.2 力量
    • 19.1. 7.2.1力量-補足
    • 19.2. 7.2.2 力量一業務を通じた教育訓練(OJT
    • 19.3. 7.2.3 内部監査員の力量
    • 19.4. 7.2.4 第二者監査員の力量
  • 20. 7.3 認識
    • 20.1. 7.3.1 認識-補足
    • 20.2. 7.3.2 従業員の動機付け及びエンパワーメント
  • 21. 7.4 コミュニケーション
  • 22. 7.5 文書化した情報
    • 22.1. 7.5.1一般
    • 22.2. 7.5.2 作成及び更新
    • 22.3. 7.5.3 文書化した情報の管理
  • 23. 8.1 運用の計画及び管理
    • 23.1. 8.1.1運用の計画及び管理-補足
    • 23.2. 8.1.2 機密保持
  • 24. 8.2 製品及びサービスに関する要求事項
    • 24.1. 8.2.1顧客とのコミュニケーション
    • 24.2. 8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化
    • 24.3. 8.2.3 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー
    • 24.4. 8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更
  • 25. 8.3 製品及びサービスの設計・開発
    • 25.1. 8.3.1-般
    • 25.2. 8.3.2 設計・開発の計画
    • 25.3. 8.3.3 設計・開発へのインプット
    • 25.4. 8.3.4 設計・開発の管理
    • 25.5. 8.3.5 設計・開発からのアウトプット
    • 25.6. 8.3.6 設計・開発の変更
  • 26. 8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理
    • 26.1. 8.4.1一般
    • 26.2. 8.4.2 管理の方式及び程度
    • 26.3. 8.4.3 外部提供者に対する情報
  • 27. 8.5 製造及びサービス提供
    • 27.1. 8.5.1 製造及びサービス提供の管理
    • 27.2. 8.5.2 識別及びトレーサビリティ
    • 27.3. 8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物
    • 27.4. 8.5.4 保存
    • 27.5. 8.5.5 引渡し後の活動
    • 27.6. 8.5.6 変更の管理
  • 28. 8.6 製品及びサービスのリリース
    • 28.1. 8.6.1製品及びサービスのリリ-ス-補足
    • 28.2. 8.6.2 レイアウト検査及び機能試験
    • 28.3. 8.6.3 外観品目
    • 28.4. 8.6.4 外部から提供される製品及びサービスの検証及び受入れ
    • 28.5. 8.6.5 法令・規制への適合
    • 28.6. 8.6.6 合否判定基準
  • 29. 8.7 不適合なアウトプットの管理
  • 30. 9.1監視,測定,分析及び評価
  • 31. 9.2 内部監査
  • 32. 9.3 マネジメントレビュー
    • 32.1. 9.3.1一般
    • 32.2. 9.3.2 マネジメントレビューへのインプット
    • 32.3. 9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット
  • 33. 10.1一般
  • 34. 10.2 不適合及び是正処置
    • 34.1. 10.2.1及び10.2.2
    • 34.2. 10.2.3 問題解決
    • 34.3. 10.2.4 ポカヨケ
    • 34.4. 10.2.5 補償管理システム
    • 34.5. 10.2.6 顧客苦情及び市場不具合の試験・分析
  • 35. 10.3 継続的改善
    • 35.1. 10.3.1継続的改善-補足

0.1一般

 ISO90012015要求事項参照.

0.1一般 品質マネジメントシステムの採用は,パフォーマンス全体を改善し,持続可能な発展への取組みのための安定した基盤を提供するのに役立ち得る,組織の戦略上の決定である。

組織は,この規格に基づいて品質マネジメントシステムを実施することで,次のような便益を得る可能性がある。

a) 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供できる。

b) 顧客満足を向上させる機会を増やす。

c) 組織の状況及び目標に関連したリスク及び機会に取り組む。

d) 規定された品質マネジメントシステム要求事項への適合を実証できる。

内部及び外部の関係者がこの規格を使用することができる。

この規格は,次の事項の必要性を示すことを意図したものではない。

様々な品質マネジメントシステムの構造を画一化する。

文書類をこの規格の箇条の構造と一致させる。

この規格の特定の用語を組織内で使用する。

この規格で規定する品質マネジメントシステム要求事項は,製品及びサービスに関する要求事項を補完するものである。

この規格は,Plan-Do-Check-ActPDCA)サイクル及びリスクに基づく考え方を組み込んだ,プロセスアプローチを用いている。

組織は,プロセスアプローチによって,組織のプロセス及びそれらの相互作用を計画することができる。

組織は,PDCA サイクルによって,組織のプロセスに適切な資源を与え,マネジメントすることを確実にし,かつ,改善の機会を明確にし,取り組むことを確実にすることができる。

組織は,リスクに基づく考え方によって,自らのプロセス及び品質マネジメントシステムが,計画した結果からかい(乖)離することを引き起こす可能性のある要因を明確にすることができ,また,好ましくない影響を最小限に抑えるための予防的管理を実施することができ,更に機会が生じたときにそれを最大限に利用することができる(A.4 参照)。

ますます動的で複雑になる環境において,一貫して要求事項を満たし,将来のニーズ及び期待に取り組むことは,組織にとって容易ではない。組織は,この目標を達成するために,修正及び継続的改善に加えて,飛躍的な変化,革新,組織再編など様々な改善の形を採用する必要があることを見出すであろう。

この規格では,次のような表現形式を用いている。

“~しなければならない”(shall)は,要求事項を示し,

“~することが望ましい”(should)は,推奨を示し,

“~してもよい”(may)は,許容を示し,

“~することができる”,“~できる”,“~し得る”など(can)は,可能性又は実現能力を示す。

“注記”に記載されている情報は,関連する要求事項の内容を理解するための,又は明解にするための手引である。

0.2 品質マネジメントの原則

 ISO90012015要求事項参照.

0.2 品質マネジメントの原則

この規格は,JIS Q 9000 に規定されている品質マネジメントの原則に基づいている。この規定には,それぞれの原則の説明,組織にとって原則が重要であることの根拠,原則に関連する便益の例,及び原則を適用するときに組織のパフォーマンスを改善するための典型的な取組みの例が含まれている。

品質マネジメントの原則とは,次の事項をいう。

顧客重視

リーダーシップ

人々の積極的参加

プロセスアプローチ

 

改善

客観的事実に基づく意思決定

関係性管理

0.3 プロセスアプローチ

0.3.1一般

 ISO90012015要求事項参照

0.3.1一般

この規格は,顧客要求事項を満たすことによって顧客満足を向上させるために,品質マネジメントシステムを構築し,実施し,その品質マネジメントシステムの有効性を改善する際に,プロセスアプローチを採用することを促進する。プロセスアプローチの採用に不可欠と考えられる特定の要求事項を 4.4 に規定している。

システムとして相互に関連するプロセスを理解し,マネジメントすることは,組織が効果的かつ効率的に意図した結果を達成する上で役立つ。組織は,このアプローチによって,システムのプロセス間の相互関係及び相互依存性を管理することができ,それによって,組織の全体的なパフォーマンスを向上させることができる。

プロセスアプローチは,組織の品質方針及び戦略的な方向性に従って意図した結果を達成するために,プロセス及びその相互作用を体系的に定義し,マネジメントすることに関わる。PDCA サイクル(0.3.2 参照)を,機会の利用及び望ましくない結果の防止を目指すリスクに基づく考え方(0.3.3 参照)に全体的な焦点を当てて用いることで,プロセス及びシステム全体をマネジメントすることができる。

品質マネジメントシステムでプロセスアプローチを適用すると,次の事項が可能になる。

a) 要求事項の理解及びその一貫した充足

b) 付加価値の点からの,プロセスの検討

c) 効果的なプロセスパフォーマンスの達成

d) データ及び情報の評価に基づく,プロセスの改善

1 は,プロセスを図示し,その要素の相互作用を示したものである。管理のために必要な,監視及び測定のチェックポイントは,各プロセスに固有なものであり,関係するリスクによって異なる。

 

 

 

0.3.2 PDCAサイクル

 ISO90012015要求事項参照

0.3.2 PDCAサイクル

PDCA サイクルは,あらゆるプロセス及び品質マネジメントシステム全体に適用できる。図 2 は,箇条4~箇条 10 PDCA サイクルとの関係でどのようにまとめることができるかを示したものである。

 

 

2PDCA サイクルを使った,この規格の構造の説明

 

PDCA サイクルは,次のように簡潔に説明できる。

Plan:システム及びそのプロセスの目標を設定し,顧客要求事項及び組織の方針に沿った結果を出すために必要な資源を用意し,リスク及び機会を特定し,かつ,それらに取り組む。

Do:計画されたことを実行する。

Check:方針,目標,要求事項及び計画した活動に照らして,プロセス並びにその結果としての製品及びサービスを監視し,(該当する場合には,必ず)測定し,その結果を報告する。

Act:必要に応じて,パフォーマンスを改善するための処置をとる。

0.3.3 リスクに基づく考え方

 ISO90012015要求事項参照

0.3.3 リスクに基づく考え方

リスクに基づく考え方(A.4 参照)は,有効な品質マネジメントシステムを達成するために必須である。リスクに基づく考え方の概念は,例えば,起こり得る不適合を除去するための予防処置を実施する,発生したあらゆる不適合を分析する,及び不適合の影響に対して適切な,再発防止のための取組みを行うということを含めて,この規格の旧版に含まれていた。

組織は,この規格の要求事項に適合するために,リスク及び機会への取組みを計画し,実施する必要がある。リスク及び機会の双方への取組みによって,品質マネジメントシステムの有効性の向上,改善された結果の達成,及び好ましくない影響の防止のための基礎が確立する。

機会は,意図した結果を達成するための好ましい状況,例えば,組織が顧客を引き付け,新たな製品及びサービスを開発し,無駄を削減し,又は生産性を向上させることを可能にするような状況の集まりの結果として生じることがある。機会への取組みには,関連するリスクを考慮することも含まれ得る。リスクとは,不確かさの影響であり,そうした不確かさは,好ましい影響又は好ましくない影響をもち得る。リスクから生じる,好ましい方向へのかい(乖)離は,機会を提供し得るが,リスクの好ましい影響の全てが機会をもたらすとは限らない。

0.4 他のマネジメントシステム規格との関係

 ISO90012015要求事項参照.

0.4 他のマネジメントシステム規格との関係

この規格は,マネジメントシステムに関する規格間の一致性を向上させるために国際標準化機構(ISO)が作成した枠組みを適用する(A.1 参照)。

 

 

この規格は,組織が,品質マネジメントシステムを他のマネジメントシステム規格の要求事項に合わせたり,又は統合したりするために,PDCA サイクル及びリスクに基づく考え方と併せてプロセスアプローチを用いることができるようにしている。

この規格は,次に示す JIS Q 9000 及び JIS Q 9004 に関係している。

JIS Q 9000(品質マネジメントシステム-基本及び用語)は,この規格を適切に理解し,実施するために不可欠な予備知識を与えている。

JIS Q 9004(組織の持続的成功のための運営管理-品質マネジメントアプローチ)は,この規格の要求事項を超えて進んでいくことを選択する組織のための手引を提供している。

附属書 B は,ISO/TC 176 が作成した他の品質マネジメント及び品質マネジメントシステム規格類について詳述している。

この規格には,環境マネジメント,労働安全衛生マネジメント又は財務マネジメントのような他のマネジメントシステムに固有な要求事項は含んでいない。

幾つかの分野において,この規格の要求事項に基づく,分野固有の品質マネジメントシステム規格が作成されている。これらの規格の中には,品質マネジメントシステムの追加的な要求事項を規定しているものもあれば,特定の分野内でのこの規格の適用に関する手引の提供に限定しているものもある。

この規格が基礎とした ISO 9001:2015 と旧版(ISO 9001:2008)との間の箇条の相関に関するマトリクスは,ISO/TC 176/SC 2 のウェブサイト(www.iso.org/tc176/sc02/public)で公表されている。

 

 

品質マネジメントシステムー要求事項

 

1 適用範囲

 ISO90012015要求事項参照

1 適用範囲

この規格は,次の場合の品質マネジメントシステムに関する要求事項について規定する。

a)組織が,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する能力をもつことを実証する必要がある場合。

b)組織が,品質マネジメントシステムの改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用,並びに顧客

求事項及び適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通して,顧客満足の向上を目指す場合。

この規格の要求事項は,汎用性があり,業種・形態,規模,又は提供する製品及びサービスを問わず,あらゆる組織に適用できることを意図している。

注記 1 この規格の製品又はサービスという用語は,顧客向けに意図した製品及びサービス,又は顧客に要求された製品及びサービスに限定して用いる。

注記 2 法令・規制要求事項は,法的要求事項と表現することもある。

注記 3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 9001:2015Quality
management systems
RequirementsIDT

なお,対応の程度を表す記号IDTは,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,一致していることを示す。

1.1適用範囲-ISO90012015に対する自動車産業補足

 この自動車産業QMS規格は,組込みソフトウェアをもつ製品を含む,自動車関係製品の,設計・開

発,生産,該当する場合,組立,取付け及びサービスの品質マネジメントシステム要求事項を定める.

 

 この自動車産業QMS規格は,顧客規定生産部品,サービス部品及び/又はアクセサリー部品の製造を行う組織のサイトに適用する.

 

 この自動車産業QMS規格は,自動車産業サプライチェーン全体にわたって適用することが望ましい.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 引用規格

 ISO90012015要求事項参照

2 引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。

JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語

注記
対応国際規格:ISO
9000
:2015Quality management systemsFundamentals
and vocabulary
IDT

 

2.1 規定及び参考の引用

 附属書Aコントロールプラン)は,この自動車産業QMS規格の規定部分である.

附属書B(参考文献一自動車産業補足)は,参考であり,この自動車産業QMS規格の理解又は使用の支援になることを意図した追加情報を提供するものである.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3 用語及び定義

 ISO90012015要求事項参照

3 用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2015 による。

3.1 自動車産業の用語及び定義

 

アクセサリー部品aceessory part

 最終顧客への引渡しの事前(又は事後)に,機械的又は電子的に車両又はパワートレーンに結合される,顧客規定の追加構成部品(例 特注フロアマット,トラックベッドライナー,ホイールカバー,音響システム機能強化装置,サンルーフ,スポイラー,スーパーチャージャーなど).

      

先行製品品質計画[advanced
product quality planning
APQP)]

 顧客要求事項を満たす製品又はサービスの開発を支援する,製品品質計画プロセス.APQPは,開発プロセスにおいて手引として活用し,組織と顧客との間で結果を共有化する標準的方法でもある.

APQPは,数ある中でも特に,設計の頑健性,設計試験及び仕様への適合,生産工程設計,品質検査規格,工程能力,生産能力,製品の包装,製品試験及び作業者教育訓練計画を網確している.

 

アフターマーケット部品(aftermarket
part

 サービス部品用途としてOEMが調達又はリリースするものではない交換部品で,OEMの仕様どおり製造されてもそうでなくてもよい.

 

正式許可(authorization

 組織内で,許可を与える若しくは拒否する,又は制裁することに関係する権限及び責任を規定する人に対する,文書化した許可.

 

チャレンジ(マスター)部品[challeIlgemasterpart

 ポカヨケ装置の機能又は点検ジグ(例 通止ゲージ)の妥当性確認に使用する,既知の仕様,校正された及び標準にトレーサブルな,期待された結果(合格又は不合格)をもつ部品.

 

コントロールプランcontrol plan

 製品の製造を管理するために要求される,システム及びプロセスを記述した文書(附属書A参照).

 

顧客要求事項(customer requirements

 顧客に規定された全ての要求事項(例 技術,商流,製品及び製造工程に関係する要求事項,一般の契約条件,顧客固有要求事項など).

 

顧客固有要求事項[customer-specific requirementsCSRs)]

 この自動車産業QMS規格の特定の箇条にリンクした解釈又は補足の要求事項.

 

組立設計[design for
assembly
DFA)]

 組立容易性を考慮した製品設計のプロセス(例製品がより少ない部品点数から成れば,組立時間を

少なくでき,したがって組立コストを削減できる).

 

製造設計[design for manufacturingDFM)]

 容易に,かつ,経済的に製造される製品を設計するための製品設計及び工程計画の統合化.

 

製造及び組立設計[design for manufacturiIlg
and assembly
DFMA)]

 二つの方法論の組合せ.製造設計(DFM)は,より容易に生産するための設計を最適化するプロセスであり,より高いスループット,改善した品質をもつ.組立設計(DPA)は,不具合のリスクを低減する,コストを下げる及び組立しやすくするための設計の最適化である.

 

      

シックスシグマ設計[design for
six sigma
DFSS)]

 顧客の期待を満たしシックスシグマ品質レベルで生産可能な製品又は工程の頑健な設計を狙いとする,体系的方法論,ツール及び手法.

 

設計責任のある組織(design responsible
organization

 新規の製品仕様を確立する,又は既存の製品仕様を変更する権限をもつ組織.

 

注記 この責任は,顧客の規定した適用条件の中で,設計性能について試験及び検証す

   ることを含む.

 

ポカヨケ(error proofing

 不適合製品の製造を予防するための,製品及び製造工程の設計・開発.

 

上申プロセス(escalation process

 組織内のある問題に対して,適切な要員がその状況に対応し,解決策を監視できるよう,その間題を指摘する又は提起するために用いられるプロセス.

 

故障の木解析[fault tree analysisFTA)]

 システムの望ましくない状態を解析する演繹故障解析の方法論.故障の木解析は,システム全体の論理図を創出することによって,故障,サブシステム及び冗長設計要素との関係を描く.

 

試験所(laboratory

 化学,金属,寸法,物理,電気又は信頼性の試験を含めてよいが,それに限定されない,検査,試験

又は校正の施設.

 

試験所適用範囲(1aboratory scope

 次の事項を含む管理文書.

・試験所が実行するために適格性確認された,特定の試験,評価及び校正

・上記を実行するために用いる設備のリスト

・上記を実行する方法及び規格のリスト

 

製造(mamufacturing

 次に示すものを製作する,又は仕上げるプロセス.

・生産材料

・生産部品若しくはサービス部品

・組立製品

・熱処理,溶接,塗装,鍍金,若しくは他の仕上げ作業

 

製造フィージビリティ(manufacturing
feasibility

 製品を,顧客要求事項を満たすように製造することが技術的に実現可能か否かを判定するための,提案されたプロジェクトの分析及び評価.これには,次の事項(該当する場合には,必ず)を含む.しかし,それに限定されない:見積りコスト内で,並びに必要な資源,施設,治工具,生産能力,ソフトウエア及び必要な技能をもつ要員が,支援部門を含めて,提供できるか又は提供できるように計画されているかどうか.

 

製造サービス(manufacturing
services

 構成部品及び組立製品に対して,試験,製嵐 配給及び修理サービス提供を行う会社.

 

 

 

部門横断的アプローチ(multidisciplinary approach

 メンバーが組織からの要員並びに顧客及び供給者の代表を含めてもよいチームによって,プロセスが

 

どのように管理されるかに影響を及ぼす可能性がある全ての利害関係者からインプットを得る方法.チームメンバーは組織の内部又は外部の要員でもよい.既存のチーム又は事情によっては臨時のチームを使用してもよい,チームへのインプットは組織及び顧客の両方のインプットを含めてもよい.

 

不具合なし[no trouble foundNTF

 サービス案件が発生したときに交換され,車両又は部品の製造業者によって分析された際に,全ての良品の要求事項を満たす部品に適用される呼称[故障なし(No Fault Found又は不具合発見なし(Trouble Not Poundとも呼ばれる..

 

アウトソースしたプロセス(outsourced
process

 外部組織によって実行される,組織の機能(又はプロセス)の一部.

 

定期的オーパ-ホール(periodic overhaul

 重大な予期しない故障を予防するために,故障又は中断の経緯に基づいて,設備の一部,又は設備のサブシステムは事前に操業を中止し,分解し,修理し,部品交換し,再度組み立て,再び操業に戻す,

保全の方法論.

 

予知保全(predictive maintenance

 いつ保全を実行すべきかを予測するために,定期的又は継続的に設備条件を監視することによって,使用している設備の条件を評価する,方法及び一連の手法.

 

特別輸送費(premium freight

 契約した輸送費に対する割増しの費用又は負担.

注記 これは,輸送方法,量,予定外納入又は納入遅延,などによって発生し得る.

      

予防保全(preventive maintenance

 製造工程設計のアウトプットとして,設備故障及び予定外の生産中断の原因を除去するために,一定の間隔(時間ベース,定期的検査及びオーバーホール)で計画した活動.

 

製品(product

 製品実現プロセスの結果として生じる,意図したアウトプット.

 

製品安全(product safety

 顧客に危害,危険を与えないことを確実にする,製品の設計及び製造に関係する規範.

 

生産シャットダウン(production shutdown

 製造工程が稼働していない状況.期間は,数時間から数か月でもよい.

 

対応計画(reactio plan

 異常又は不適合事象が検出された場合に,コントロールプランに規定された処置又は一連のステップ.

 

遠隔地支援事業所(remote location

 製造サイトを支援する,生産プロセスのない事業所.

 

サービス部品(service part

 サービス部品としてOEMが調達又はリリースし,OEMの仕様どおり製造される,再生部品を含む交換部品.

 

サイト(site

 価値を付加する製造工程のある事業所.

 

特殊特性special characteristics

 安全若しくは規制への適合,取付け時の合い,機能,性能,要求事項,又は製品の後加工に影響し得

る,製品特性又は製造工程パラメータの区分.

 

 

特別状態(special status

 著しい品質又は納入問題による一つ以上の顧客要求事項が満たされていない場合に組織に課せられる,顧客が特定した区分の通知.

 

支援機能(support function

 同じ組織の一つ(又はそれ以上)の製造サイトを支援する,非生産活動(サイト内で又は遠隔地支援事業所で行われる..

 

TPMtotal productive maintenance

 生産及び品質システムの完全に整った状態を,組織に価値を付加する,機械,設備,工程及び従業員を通じて,維持し改善するシステム.

 

トレードオフ曲線(tradeof curves

 製品の様々な設計特性の相互の関係を理解し伝達するためのツール.一つの特性に関する製品の性能を縦軸に描き,もう一つの特性を横軸に措く.それから二つの特性に対する製品性能を示すために曲線がプロットされる.

 

トレードオフプロセス(trade-of
process

 製品及びその性能特性に対して,設計の代替案の間で顧客,技術及び経済的な関係を確立する,トレードオフ曲線を作成し使用する方法論.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4 組織の状況

4.1組織及びその状況の理解

ISO90012015要求事項参照

4.1組織及びその状況の理解

組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければならない。

組織は,これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない。

注記 1 課題には,検討の対象となる,好ましい要因又は状態,及び好ましくない要因又は状態が含まれ得る。

注記 2 外部の状況の理解は,国際,国内,地方又は地域を問わず,法令,技術,競争,市場,文化,社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になり得る。

注記 3 内部の状況の理解は,組織の価値観,文化,知識及びパフォーマンスに関する課題を検討することによって容易になり得る。

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

ISO90012015要求事項参照

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

次の事項は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,組織は,これらを明確にしなければならない。

a)品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者

b)品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項

組織は,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を監視し,レビューしなければならない。

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定

ISO90012015要求事項参照

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定

組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなければならない。

この適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を考慮しなければならない。

a)
4.1
に規定する外部及び内部の課題

b)       4.2 に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項 c) 組織の製品及びサービス

決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば,組織は,これらを全て適用しなければならない。

組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持しなければならない。適用範囲では,対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて,その正当性を示さなければならない。

 

 

適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を表明してよい。

 

4.3.1品質マネジメントシステムの適用範囲の決定-補足

 支援部門(設計センター,本社及び配給センターのような)は,サイト内にあろうと遠隔地にあろうと,品質マネジメントシステム(QMS)の適用範囲に含めなければならない.

 

 この自動車産業QMS規格における唯一の許可される除外は,ISO90018.3における製品の設計・開発の要求事項に関連するものである. 除外は,文書化した情報ISO90017.5参照)として正当性を示し維持しなければならない.

 

許可される除外に,製造工程設計は含めない.

 

4.3.2 顧客固有要求事項

 顧客固有要求事項は,評価し,組織の品質マネジメントシステムの適用範囲に含めなければならない.

 

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス

 

4.4.1

 ISO90012015要求事項参照.

4.4.1         組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。

組織は,品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体にわたる適用を決定しなければならない。また,次の事項を実施しなければならない。

a)これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確にする。

b)これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。

c)これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。

d)これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。

e)これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。

f)6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。

g)これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する。

h)これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。

 

4.4.1.1 製品及びプロセスの適合

 組織は,全ての製品及びプロセスが,サービス部品及びアウトソースしたものを含めて,該当する,全ての顧客,法令,規制の要求事項(8.4.2.2参照)に適合することを確実にしなければならない.

 

 

 

 

 

4.4.1.2 製品安全

 組織は,製品安全に関係する製品及び製造工程の運用管理に対する文書化したプロセスをもたなけれ

ばならない.それには,該当する場合には,必ず,次の事項を含めなければならない.しかし,それに限定されない.

a)法令・規制の製品安全要求事項の組織による特定

ba)における要求事項の顧客からの通知

c)設計FMEAに対する特別承認

d)製品安全に関係する特性の特定

e)安全に関係する製品特性及び製造時点での特性の特定及び管理

fコントロールプラン及び工程PMEAの特別承認

g)対応計画(9.1.1.1参照)

h)定められた責任,トップマネジメントを含めた上申プロセス及び情報フローの明確化,並びに顧客への通知

i)製品安全に関係する製品及び関連する製造工程に携わる要員に対する,組織又は顧客によって特定された教育訓練

j)製品又は工程の変更は,工程及び製品の変更(ISO90018.3.6参照)による製品安全に関する潜在的影響の評価を含めて,実施前に承認しなければならない.

k顧客指定の供給者(8.4.3.1参照)を含む,サプライチェーン全体にわたって製品安全に関する要求事項の連絡

1)サプライチューン全体にわたって,(最低限)製造ロット単位での製品トレーサピリティ

 (8.5.2.1参照)

m)新製品導入に活かす学んだ教訓

 

 注記 特別承認は,安全に関係する内容をもつ文書を承認する責任のある機能(通常は顧客)による追加の承認である.

 

4.4.2

 ISO90012015要求事項参照.

4.4.2 組織は,必要な程度まで,次の事項を行わなければならない。

a)プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持する。

b)プロセスが計画どおりに実施されたと確信するための文書化した情報を保持する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5 リーダーシップ

5.1リーダーシップ及びコミットメント

5.1.1一般

 ISO90012015要求事項参照

5.1.1一般

トップマネジメントは,次に示す事項によって,品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。

a)
品質マネジメントシステムの有効性に説明責任(accountability)を負う。

b)
品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し,それらが組織の状況及び戦略的な方向性と両立することを確実にする。

c)
組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。

d)
プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方の利用を促進する。

e)
品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。

f)
有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。

g)
品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。

h)
品質マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を積極的に参加させ,指揮し,支援する。

i)
改善を促進する。

j)
その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう,管理層の役割を支援する。

注記 この規格で“事業”という場合,それは,組織が公的か私的か,営利か非営利かを問わず,組織の存在の目的の中核となる活動という広義の意味で解釈され得る。

 

5.1.1.1企業責任

 組織は,企業責任方針を定め,実施しなければならない..それには,最低限,贈賄防止方針,従業員行動規範及び倫理的上申方針(内部告発方針)を含める.

 

5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率

 トップマネジメントは,プロセスの有効性及び効率を評価し改善するために,製品実現プロセス及び支援プロセスをレビューしなければならない.プロセスレビュー活動の結果は,マネジメントレビュー(9.3.2.1参照)へのインプットとして含めなければならない.

 

5.1.1.3 プロセスオーナー

トップマネジメントは,組織のプロセス及び関係するアウトプットをマネジメントする責任をもつプロセスオーナーを特定しなければならない.プロセスオーナーは,自らの役割を理解し,その役割を実行する力量がなければならないISO90017.2参照).

 

5.1.2 顧客重視

 ISO90012015要求事項参照

5.1.2 顧客重視

トップマネジメントは,次の事項を確実にすることによって,顧客重視に関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。

 

 

a)
顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を明確にし,理解し,一貫してそれを満たしている。

b)
製品及びサービスの適合並びに顧客満足を向上させる能力に影響を与え得る,リスク及び機会を決定し,取り組んでいる。

c)
顧客満足向上の重視が維持されている。

 

5.2 方針

5.2.1品質方針の確立

 ISO90012015要求事項参照

5.2.1品質方針の確立

トップマネジメントは,次の事項を満たす品質方針を確立し,実施し,維持しなければならない。

a)
組織の目的及び状況に対して適切であり,組織の戦略的な方向性を支援する。

b)
品質目標の設定のための枠組みを与える。

c)
適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。

d)
品質マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。

 

5.2.2 品質方針の伝達

 ISO90012015要求事項参照

5.2.2 品質方針の伝達

品質方針は,次に示す事項を満たさなければならない。

a)
文書化した情報として利用可能な状態にされ,維持される。

b)
組織内に伝達され,理解され,適用される。

c)
必要に応じて,密接に関連する利害関係者が入手可能である。

 

5.3 組織の役割,責任及び権限

ISO90012015要求事項参照

5.3 組織の役割,責任及び権限

トップマネジメントは,関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組織内に伝達され,理解されることを確実にしなければならない。

トップマネジメントは,次の事項に対して,責任及び権限を割り当てなければならない。

a)
品質マネジメントシステムが,この規格の要求事項に適合することを確実にする。

b)
プロセスが,意図したアウトプットを生み出すことを確実にする。

c)
品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び改善(10.1 参照)の機会を特にトップマネジメントに報告する。

d)
組織全体にわたって,顧客重視を促進することを確実にする。

e)
品質マネジメントシステムへの変更を計画し,実施する場合には,品質マネジメントシステムを完全に整っている状態integrity)に維持することを確実にする。

 

5.3.1組織の役割,責任及び権限-補足

トップマネジメントは,顧客要求事項が満たされることを確実にするために,責任及び権限をもつ要員を任命しなければならない.これらの任命は,文書化しなければならない.これには,特殊特性の選定,

 

品質目標の設定及び関連する教育訓練,是正処置及び予防処置,製品の設計・開発,生産能力分析,物流情報,顧客スコアカード及び顧客ポータルを含めるが,それに限定されない.

 

 

5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限

トップマネジメントは,次の事項を確実にしなければならない.

a)製品要求事項への適合に責任を負う要員は,品質問題を是正するために,出荷を停止し,生産を

停止する権限をもつ.

 

注記 産業によっては工程設計のゆえに,必ずしも直ちに生産を停止できない場合がある.この場合,影響のあるバッチは封じ込めて,顧客への出荷を防止しなければならない.

 

b)不適合製品が顧客に出荷されないように,また,全ての潜在的不適合製品を識別し封じ込めるために,是正処置に対する権限及び責任をもつ要員に,要求事項に適合しない製品又はプロセスの情報が速やかに報告される.

c)全てのシフトにわたる生産活動に,製品要求事項への適合を確実にする責任を負う,又はその

  責任を委任された要員を配置する.

 

 

6 計画

6.1リスク及び機会への取組み

6.1.1及び6.1.2

 ISO90012015要求事項参照.

6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき,組織は,4.1 に規定する課題及び 4.2 に規定する要求事項を考慮し,次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。

a)
品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成できるという確信を与える。

b)
望ましい影響を増大する。

c)
望ましくない影響を防止又は低減する。

d)
改善を達成する。

6.1.2
組織は,次の事項を計画しなければならない。

a)
上記によって決定したリスク及び機会への取組み b) 次の事項を行う方法

1)
その取組みの品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施(4.4 参照)

2)
その取組みの有効性の評価

リスク及び機会への取組みは,製品及びサービスの適合への潜在的な影響と見合ったものでなければならない。

注記 1 リスクへの取組みの選択肢には,リスクを回避すること,ある機会を追求するためにそのリスクを取ること,リスク源を除去すること,起こりやすさ若しくは結果を変えること,リスクを共有すること,又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することが含まれ得る。

注記 2 機会は,新たな慣行の採用,新製品の発売,新市場の開拓,新たな顧客への取組み,パートナーシップの構築,新たな技術の使用,及び組織のニーズ又は顧客のニーズに取り組むためのその他の望ましくかつ実行可能な可能性につながり得る。

 

6.1.2.1 リスク分析

 組織は,最低限,製品のリコールから学んだ教訓,製品監査,市場で起きた回収・修理,苦情,スクラップ及び手直しを,リスク分析に含めなければならない.

 組織は,リスク分析の結果の証拠として,文書化した情報保持しなければならない.

 

6.1.2.2 予防処置

 組織は,起こり得る不適合が発生することを防止するために,その原因を除去する処置を決め,実施しなければならない.予防処置は,起こり得る問題の重大性に応じたものでなければならない.

 

 組織は,次の事項を含む,リスクの悪影響を及ぼす直合いを減少させるプロセスを確立しなければならない.

a)起こり得る不適合及びその原因の特定

b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価

c)必要な処置の決定及び実施

d)とった処置の文書化した情報

e)とった予防処置の有効性のレビュー

f)類似プロセスでの再発を防止するために学んだ教訓の活用(ISO90017.1.6参照)

 

 

6.1.2.3 緊急事態対応計画

 組織は,次の事項を実施しなければならない..

a顧客要求事項が満たされることを確実にし,生産からのアウトプットを維持するのに不可欠な

  全ての製造工程及びインフラストラクチャの設備に対する内部及び外部のリスクを特定し評価する.

b顧客へのリスク及び影響に従って,緊急事態対応計画を定める.

c)次のような事態において,供給の継続のために緊急事態対応計画を準備する.主要設備の故障(8.5.6.1.1も参照),外部から提供される製品,プロセス,及びサービスの中断,繰り返し発生する自然災害,火事,電気・ガス・水道の停止.労働力不足,又はインフラストラクチャ障害

d顧客の操業に影響するいかなる状況も,その程度及び期間に対して,顧客及び他の利害関係者への通知プロセスを,緊急事態対応計画の補完として含める.

e)有効性(例 必要に応じて,シミュレーション)について,定期的に緊急事態対応計画をテストする.

f)トップマネジメントを含む部門横断チームによって,緊急事態対応計画のレビューを行い(最低限,年次で),必要に応じて更新する.

g)緊急事態対応計画を文書化し,また,変更を正式許可した人を含む,いかなる改訂をも記述した文書化した情報を保持する.

 

  緊急事態対応計画には,生産が停止した緊急事態の後で生産を再稼働したとき及び正規のシャットダウンプロセスがとられなかった場合,製造された製品が引き続き顧客仕様を満たすことの妥当性確認条項を含めなければならない.

 

6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定

6.2.1及び6.2.2

 ISO90012015要求事項参照.

6.2.1         組織は,品質マネジメントシステムに必要な,関連する機能,階層及びプロセスにおいて,品質目標を確立しなければならない。

品質目標は,次の事項を満たさなければならない。

a)
品質方針と整合している。

b)
測定可能である。

c)
適用される要求事項を考慮に入れる。

d)
製品及びサービスの適合,並びに顧客満足の向上に関連している。

e)
監視する。 f) 伝達する。

g) 必要に応じて,更新する。

組織は,品質目標に関する文書化した情報を維持しなければならない。

6.2.2 組織は,品質目標をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項を決定しなければならない。

a)
実施事項

b)
必要な資源

c)
責任者

d)
実施事項の完了時期

e)
結果の評価方法

 

 

 

 

6.2.2.1品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足

 トップマネジメントは,組織全体にわたって,関連する機能,プロセス及び階層において,顧客要求事項を満たす品質目標を定め,碓立し及び維持することを碓実にしなければならない.

 

 利害関係者及びその関連する要求事項に関する組織のレビューの結果は,組織が最低限,年次の品質目標及び関係するパフォーマンス目標(内部及び外部)を確立する際に,考慮しなければならない.

 

6.3 変更の計画

 ISO90012015要求事項参照

6.3 変更の計画

組織が品質マネジメントシステムの変更の必要性を決定したとき,その変更は,計画的な方法で行わなければならない(4.4 参照)。

組織は,次の事項を考慮しなければならない。

a)
変更の目的,及びそれによって起こり得る結果

b)
品質マネジメントシステムの完全に整っている状態integrity

c)
資源の利用可能性

d)
責任及び権限の割当て又は再割当て

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7 支援

7.1資源

7.1.1一般

 ISO90012015要求事項参照

7.1.1一般

組織は,品質マネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善に必要な資源を明確にし,提供しなければならない。

組織は,次の事項を考慮しなければならない。

a)
既存の内部資源の実現能力及び制約

b)
外部提供者から取得する必要があるもの

7.1.2 人々

 ISO90012015要求事項参照

7.1.2 人々

組織は,品質マネジメントシステムの効果的な実施,並びにそのプロセスの運用及び管理のために必要な人々を明確にし,提供しなければならない。

7.1.3 インフラストラクチャ

 ISO90012015要求事項参照.

7.1.3 インフラストラクチャ

組織は,プロセスの運用に必要なインフラストラクチャ,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要なインフラストラクチャを明確にし,提供し,維持しなければならない。

注記 インフラストラクチャには,次の事項が含まれ得る。

a)
建物及び関連するユーティリティ

b)
設備。これにはハードウェア及びソフトウェアを含む。

c)
輸送のための資源

d)
情報通信技術

 

7.1.3.1 工場,施設及び設備の計画

 

 組織は,工場,施設及び設備の計画を策定し改善するために,リスク特定及びリスク緩和の方法を含めて,部門横断的アプローチを用いなければならない.工場レイアウトを設計する際は,組織は次の事項を実施しなければならない.

a)不適合製品の管理を含む,材料の流れ,材料の取扱い及び現場スペースの付加価値のある活用を最適化する.

b)該当する場合には,必ず,同期のとれた材料の流れを促進する.

 

  新製品及び新運用に対する製造フィージビリティを評価するために,方法を開発し,実施しなけれ  

 ばならない.製造フィージビリティ評価には,生産能力計画を含めなければならない.これらの方法は,既存の運用への提案された変更を評価することにも適用可能でなければならない

 

 組織は,リスクに関連する定期的再評価を含めて,工程承認中になされた変更,コントロールプランの維持(8.5.1.1参照)及び作業の段取り替え検証(8.5.1.3参照)を取り入れるために,工程の有効性を維持しなければならない.

 

 

 

 製造フィージビリティ評価及び生産能力評価は,マネジメントレビューへのインプットとしなければならないISO90019.3参照)

 

注記1 これらの要求事項には,リーン生産の原則の適用を含めることが望ましい.

注記2 これらの要求事項は,該当する場合には,必ず,サイト内供給者の活動に適用することが望ましい.

 

7.1.4 プロセスの運用に関する環境

ISO90012015要求事項参照

7.1.4 プロセスの運用に関する環境

組織は,プロセスの運用に必要な環境,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な環境を明確にし,提供し,維持しなければならない。

注記 適切な環境は,次のような人的及び物理的要因の組合せであり得る。

a)
社会的要因(例えば,非差別的,平穏,非対立的)

b)
心理的要因(例えば,ストレス軽減,燃え尽き症候群防止,心のケア) c) 物理的要因(例えば,気温,熱,湿度,光,気流,衛生状態,騒音)

これらの要因は,提供する製品及びサービスによって,大いに異なり得る。

 

注記ISO45001(又はそれに相当するもの)への第三者認証が承認されれば,この要求事項の要員安全の側面に対する組織の適合を実証するために用いてもよい.

 

7.1.4.1プロセスの運用に関する環境-補足

 組織は,製品及び製造工程のニーズに合わせて,事業所を整頓され清潔で手入れされた状態に維持しなければならない.

 

7.1.5 監視及び測定のための資源

7.1.5.1-般

 ISO90012015要求事項参照

7.1.5.1-般

要求事項に対する製品及びサービスの適合を検証するために監視又は測定を用いる場合,組織は,結果

が妥当で信頼できるものであることを確実にするために必要な資源を明確にし,提供しなければならない。

組織は,用意した資源が次の事項を満たすことを確実にしなければならない。

a)
実施する特定の種類の監視及び測定活動に対して適切である。

b)
その目的に継続して合致することを確実にするために維持されている。

組織は,監視及び測定のための資源が目的と合致している証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければならない。

 

7.1.5.1.1測定システム解析

 コントロールプランに特定されている各種の検査,測定及び試験設備システムの結果に存在するばらつきを解析するために,統計的調査を実施しなければならない..使用する解析方法及び合否判定基準は,測定システム解析に関するレファレンスマニュアルに適合しなければならない.顧客承認した場合は,他の解析方法及び合否判定基準を使用してもよい.

 

 代替方法に対する顧客承諾の記録は,代替の測定システム解析の結果とともに保持しなければならない.9.1.1.1参照).

 

注記 MSA調査の優先順位は,製品若しくは工程の重大特性又は特殊特性を重視することが望ましい.

 

7.1.5.2 測定のトレーサビリティ

 ISO90012015要求事項参照

7.1.5.2 測定のトレーサビリティ

測定のトレーサビリティが要求事項となっている場合,又は組織がそれを測定結果の妥当性に信頼を与えるための不可欠な要素とみなす場合には,測定機器は,次の事項を満たさなければならない。

a)
定められた間隔で又は使用前に,国際計量標準又は国家計量標準に対してトレーサブルである計量標準に照らして校正若しくは検証,又はそれらの両方を行う。そのような標準が存在しない場合には,校正又は検証に用いたよりどころを,文書化した情報として保持する。

b)
それらの状態を明確にするために識別を行う。

c)
校正の状態及びそれ以降の測定結果が無効になってしまうような調整,損傷又は劣化から保護する。

測定機器が意図した目的に適していないことが判明した場合,組織は,それまでに測定した結果の妥当性を損なうものであるか否かを明確にし,必要に応じて,適切な処置をとらなければならない。

 

注記 機器の校正記録に対してトレーサブルな番号又は他の識別子は,ISO90012015における要求事項の意図を満たす.

 

7.1.5.2.1校正/検証の記録

 組織は,校正/検証の記録をマネジメントする文書化したプロセスをもたなければならない.内部要

求事項,法令・規制要求事項及び顧客が定めた要求事項への適合の証拠を提供するために必要な,全て

のゲージ,測定機器及び試験設備(測定に関連する従業員所有の機器,顧客所有の機器,サイト内供給

者所有の機器を含む.)に対する校正/検証の活動の記録は,保持しなければならない..

 

 組織は,校正/検証の活動及び記録には次の詳細事項を含めなければならないことを確実にしなけれ

ばならない.

a)測定システムに影響する,設計変更による改訂

b)校正/検証のために受け入れた状態で,仕様外れの値

c)仕様外れ状態によって引き起こされ得る製品の意図した用途に対するリスクの評価

d)検査測定及び試験設備が,計画した検証中若しくは校正中に,又はその使用中に,校正外れ又は故障が発見された場合,この検査測定及び試験設備によって得られた以前の測定結果の妥当性に関する文書化した情報を,校正報告書に関連する標準器の最後の校正を行った日付及び次の校正が必要になる期限を含めて,保持しなければならない..

e)疑わしい製品又は材料が出荷された場合の顧客への通知

f)校正/検証後の,仕様への適合表明

g)製品及び工程の管理に使用されるソフトウェアのバージョンが指示どおりであることの検証

h)全てのゲージ(従業員所有の機器,顧客所有の機器,サイト内供給者所有の機器を含む)に対する校正及び保全活動の記録

i)製品及び工程の管理に使用される(従業員所有の機器,顧客所有の機器,サイト内供給者所有の機器にインストールされたソフトウェアを含む)生産に関係するソフトウェアの検証

 

7.1.5.3 試験所要求事項

7.1.5.3.1内部試験所

 組織内部の試験所施設は,要求される検査,試験又は校正サービスを実行する能力を含む,定められた適用範囲をもたなければならない.この試験所適用範囲は,品質マネジメントシステム文書に含めなければならない.試験所は,最低限,次の事項に対する要求事項を規定し,実施しなければならない..

 

a)試験所の技術手順の適切性

b)試験所要員の力量

c)製品の試験

d)該当するプロセス規格(ASTMENなどのような)にトレーサブルな形で,これらのサービスを正確に実行する能力.国家標準又は国際標準が存在しない場合,組織は,測定システムの能力を検証する手法を定めて実施しなければならない..

e)もしあれば,顧客要求事項

f)関係する記録のレビュー

 

注記ISOIEC17025(又はそれに相当するもの)に対する第三者認定を,組織の内部

   試験所がこの要求事項に適合していることの実証に使用してもよい.

 

7.1.5.3.2 外部試験所

 組織が検査,試験,又は校正サービスに使用する,外部/商用/独立の試験所施設は,要求される検査,試験,又は校止を実行する能力を含む,定められた試験所適用範囲をもたなければならない.また,次の事項のいずれかを満たさなければならない.

- 試験所は,ISOIEC17025又はこれに相当する国内基準に認定され,該当する検査,試験,

又は校正サービスを認定(認証書)の適用範囲に含めなければならない.校正又は試験報告書の認証書は,国家認定権関のマークを含んでいなければならない.

 

-外部試験所が顧客に受け入れられることができるとの証拠がなければならない.

 

注記 そのような証拠は,例えば,試験所がISOIEC17025又はこれに相当する国内基準の意図を満たすとの顧客評価,又は顧客が認めた第二者評価によって,実証してもよい.顧客が認めた評価方法を使用して試験所を評価する組織によって第二者評価を,実行してもよい.

 

ある機器に対して認定された試験所を利用できない場合,校正サービスは,機器の製造業者によって

実行してもよい.この場合,組織は,7.1.5.3.1に記載された要求事項を満たすことを確実にしなければならない.

 

 校正サービスの使用は,認定された(又は顧客が認めた)試験所以外による場合,要求されれば,政府規制の確認の対象となる場合がある.

 

7.1.6 組織の知識

 ISO90012015要求事項参照

7.1.6 組織の知識

組織は,プロセスの運用に必要な知識,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な知識を明確にしなければならない。

この知識を維持し,必要な範囲で利用できる状態にしなければならない。

変化するニーズ及び傾向に取り組む場合,組織は,現在の知識を考慮し,必要な追加の知識及び要求される更新情報を得る方法又はそれらにアクセスする方法を決定しなければならない。

注記 1 組織の知識は,組織に固有な知識であり,それは一般的に経験によって得られる。それは,組織の目標を達成するために使用し,共有する情報である。

注記 2 組織の知識は,次の事項に基づいたものであり得る。

 

 

 

a)
内部の知識源(例えば,知的財産,経験から得た知識,成功プロジェクト及び失敗から学んだ教訓,文書化していない知識及び経験の取得及び共有,プロセス,製品及びサービスにおける改善の結果)

b)
外部の知識源(例えば,標準,学界,会議,顧客又は外部の提供者からの知識収集)

 

7.2 力量

 ISO90012015要求事項参照

7.2 力量

組織は,次の事項を行わなければならない。

a)
品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務をその管理下で行う人

(又は人々)に必要な力量を明確にする。

b)
適切な教育,訓練又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備えていることを確実にする。

c)
該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置をとり,とった処置の有効性を評価する。

d)
力量の証拠として,適切な文書化した情報を保持する。

注記 適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育訓練の提供,指導の実施,配置転換の実施などがあり,また,力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結などもあり得る。

 

7.2.1力量-補足

 組織は,製品及びプロセス要求事項への適合に影響する活動に従事する全ての要員の,認識(7.3.1参照)を含めて,教育訓練のニーズ及び達成すべき力量を明確にする文書化したプロセスを確立し,維持しなければならない.必要に応じて,顧客要求事項を満たすことに特に配慮して,特定の業務に従事する要員を適格性確認しなければならない

 

7.2.2 力量一業務を通じた教育訓練(OJT

 組織は,品質要求事項への適合,内部要求事項,規制又は法令要求事項に影響する,新規の又は変更された責任を負う要員に対し,業務を通じた教育訓練(OJT)(これには顧客要求事項の教育訓練を含めなければならない.)を提供しなければならない.これには,契約又は派遣の要員を含めなければならない.業務を通じた教育訓練(OJT)に対する詳細な要求レベルは,要員が有する教育及び日常業務を実行するために必要な任務の複雑さのレベルに見合っていなければならない.品質に影響し得る仕事に従事する要員には,顧客要求事項に対する不適合の因果関係について.知らせなければならない.

 

7.2.3 内部監査員の力量

 組織は,顧客固有要求事項を考慮に入れて,内部監査員が力量をもつことを検証する文書化したプロ

セスをもたなければならない.監査員の力量に関する追加の手引には,ISO19011を参照する.組織は,資格をもつ内部監査員のリストを維持しなければならない

.

品質マネジメントシステム監査員,製造工程監査員及び製品監査員は,全て,次の最低限の力量を実証できなければならない...

 

a)リスクに基づく考え方を含む,監査に対する自動車産業プロセスアプローチの理解

b)該当する顧客固有要求事項の理解

 

 

c)監査範囲に関係する,該当するISO9001及びIATF16949要求事項の理解

d)監査範囲に関係する.該当するコアツール要求事項の理解

e)計画,実施,報告及び監査所見の完了の仕方の理解

 

 さらに,製造工程監査員は,監査対象となる該当する製造工程の,工程リスク分析(PFMEAのような)及びコントロールプランを含む,専門的理解を実証しなければならない.製品監査員は,製品の適合性を検証するために,製品要求事項の理解,並びに該当する測定及び試験設備の使用において,力量を実証しなければならない.

 

 力量を獲得するために教育訓練が捏供される際は,上記要求事項を備えたトレーナーの力量を実証するために文書化した情報保持しなければならない..

 

内部監査員の力量における維持及び改善は,次の事項を通じて実証しなければならない.

f)組織が定める,年間最低回数の監査の実施

g)内部変化(例 工程技術,製品技術)及び外部変化(例ISO9001IATF16949,コアツール及び顧客固有要求事項)に基づく,該当する要求事項の知識の維持

 

7.2.4 第二者監査員の力量

 組織は,第二者監査を実施する監査員の力量を実証しなければならない.第二者監査員は,監査員の適格性確認に対する願客固有要求事項を満たし,次の事項の理解を含む,最低限の核となる次の力量を実証しなければならない.

 

a)リスクに基づく考え方を含む,監査に対する自動車産業プロセスアプローチ

            

b)該当する顧客及び組織の固有要求事項

 

c)監査範囲に関係する,該当するISO9001及びIATF16949要求事項

 

dPFMEA及びコントロ-ルブランを含む,監査対象となる製造工程

 

e)監査範囲に関係する,該当するコアツール要求事項

 

f)計画,実施,監査報告書の準備及び監査所見の完了の仕方

 

7.3 認識

 ISO90012015要求事項参照

7.3 認識

組織は,組織の管理下で働く人々が,次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。

a)
品質方針

b)
関連する品質目標

c)
パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む,品質マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献

d)
品質マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味

 

7.3.1 認識-補足

 組織は,全ての従業員が,顧客要求事項及び不適合製品に関わる顧客のリスクを含む,従業員が製品品質に及ぼす影響,並びに品質を達成し,維持し及び改善するために行う活動の重要性を認識することを実証する,文書化した情報維持しなければならない.

        

7.3.2 従業員の動機付け及びエンパワーメント

 組織は,品質目標を達成し,継続的改善を行い及び革新を促進する環境を創造するための,従業員を動機付ける文書化したプロセスを維持しなければならない.そのプロセスには,組織全体にわたって品質及び技術的認識を促進することを含めなければならない.

7.4 コミュニケーション

 ISO90012015要求事項参照

7.4 コミュニケーション

組織は,次の事項を含む,品質マネジメントシステムに関連する内部及び外部のコミュニケーションを決定しなければならない。

a)
コミュニケーションの内容

b)
コミュニケーションの実施時期

c)
コミュニケーションの対象者

d)
コミュニケーションの方法

e)
コミュニケーションを行う人

 

7.5 文書化した情報

7.5.1一般

 ISO90012015要求事項参照

7.5.1一般

組織の品質マネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。

a)
この規格が要求する文書化した情報

b)
品質マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した,文書化した情報

注記 品質マネジメントシステムのための文書化した情報の程度は,次のような理由によって,それぞれの組織で異なる場合がある。

組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類

プロセス及びその相互作用の複雑さ

人々の力量

 

7.5.1.1品質マネジメントシステムの文書類

 

 組織の品質マネジメントシステムは,文書化し,品質マニュアルに含めなければならない,その品質マニュアルは一連の文書(電子版又は印刷版)であってもよい.

        

 品質マニュアルの様式及び構成は,組織の裁量により,また,組織の規模,文化及び複雑さによって決まる.一連の文書が使用されるならば,組織の品質マニュアルを構成する文書のリストを保持しなければならない..

 

 品質マニュアルには,最低限,次の事項を含めなければならない.

a)品質マネジメントシステムの適用範囲,除外がある場合には,除外の詳細,及び除外を正当とする理由

b)品質マネジメントシステムについて確立された,文書化したプロセス,又はそれらを参照できる

情報

c)アウトソースしたプロセスの管理の方式及び程度を含む,組織のプロセス並びにそれらの順序

  及び相互作用(インプット及びアウトプット)

 

d)組織の品質マネジメントシステムの中の,どこで顧客固有要求事項に取り組んでいるかを示す文書(すなわち,マトリックス)

 

注記 この自動車産業QMS規格の要求事項が,どのように組織のプロセスによって取り組まれているかを示すマトリックスは,組織のプロセスとこの自動車産業QMSとのつながりを支援するために利用してもよい.

 

7.5.2 作成及び更新

 ISO90012015要求事項参照

7.5.2 作成及び更新

文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなければならない。

a)
適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号)

b)
適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体)

c)
適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認

 

7.5.3 文書化した情報の管理

7.5.3.1及び7.5.3.2

 ISO90012015要求事項参照.

7.5.3.1      品質マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするために,管理しなければならない。

a)
文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。

b)
文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)。

7.5.3.2      文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組まなければならない。

a)
配付,アクセス,検索及び利用

b)
読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存

c)
変更の管理(例えば,版の管理) d) 保持及び廃棄

品質マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書化した情報は,必要に応じて識別し,管理しなければならない。

適合の証拠として保持する文書化した情報は,意図しない改変から保護しなければならない。

注記 アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,又は文書化した情報の閲覧及び変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。

 

7.5.3.2.1
記録の保管

 組織は,記録保管方針を定め,文書化し,実施しなければならない..記録の管理は,法令,規制,組織及び顧客要求事項を満たさなければならない.

 生産部品承認,治工具の記録(保全及び保有者を含む),製品設計及び工程設計の記録,購買注文書(該当する場合には,必ず),契約書及びその修正事項は,製品が生産及びサービス要求事項に対して有効である期間に加えて1暦年,保持しなければならない..ただし,顧客又は規制当局によって規定されたときは,この限りでない.

 

注記 生産部品承認文書化した情報には,承認された製品,該当する設備の記録,又は承認された試験データを含めてもよい.

 

7.5.3.2.2 技術仕様書

 組織は,顧客の全ての技術親格/仕様書及び関係する改訂に対して,要求される顧客スケジュールに

基づいて,レビュー,配付及び実施を記述した文書化したプロセスをもたなければならない.

 技術規格/仕様書の変更が,製品設計変更になる場合は,ISO90018.3.6の要求事項を参照する.

技術規格/仕様書の変更が,製品実現プロセスの変更になる場合は,8.5.6.1の要求事項を参照する.

組織は,生産において実施された各変更の日付の記録を保持しなければならない..実施には,更新され

た文書を含めなければならない.

 

 レビューは,技術規格/仕様書の変更を受領してから,10稼働日内に完了することが望ましい.

 

注記 技術規格/仕様書の変更は,仕様書が設計記録に引用されている,又は,コントロールプラン,リスク分析(FMEAのような),などのような生産部品承認プロセス文書に影響する場合,顧客の生産部品承認の更新された記録が要求される場合がある.

 

 

 

8 運用

8.1 運用の計画及び管理

 ISO90012015要求事項参照

8.1運用の計画及び管理

組織は,次に示す事項の実施によって,製品及びサービスの提供に関する要求事項を満たすため,並びに箇条
6 で決定した取組みを実施するために必要なプロセスを,計画し,実施し,かつ,管理しなければならない(4.4 参照)。

a) 製品及びサービスに関する要求事項の明確化 b) 次の事項に関する基準の設定

1)
プロセス

2)
製品及びサービスの合否判定

c) 製品及びサービスの要求事項への適合を達成するために必要な資源の明確化 d) b) 基準に従った,プロセスの管理の実施

e) 次の目的のために必要な程度の,文書化した情報の明確化,維持及び保持

1)
プロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつ。

2)
製品及びサービスの要求事項への適合を実証する。

この計画のアウトプットは,組織の運用に適したものでなければならない。

組織は,計画した変更を管理し,意図しない変更によって生じた結果をレビューし,必要に応じて,有害な影響を軽減する処置をとらなければならない。

組織は,外部委託したプロセスが管理されていることを確実にしなければならない(8.4 参照)。

 

8.1.1運用の計画及び管理-補足

 製品実現の計画をする際は,次の事項を含めなければならない.

  a顧客の製品要求事項及び技術仕様書

b)物流要求事項

c)製造フィージビリティ

d)プロジェクト計画(ISO90018.3.2参照)

e)合否判定基準

 

ISO90018.1 c)に特定される資源は,製品及び製品の合否判定基準に固有の,要求される検証,妥当性確認,監視,測定,検査及び試験活動について述べている.

 

8.1.2 機密保持

 組織は,顧客と契約した開発中の製品及びプロジェクト,並びに関係製品情報の機密保持を確実にしなければならない.

 

8.2 製品及びサービスに関する要求事項

8.2.1顧客とのコミュニケーション

 ISO90012015要求事項参照

8.2.1顧客とのコミュニケーション

 顧客とのコミュニケーションには,次の事項を含めなければならない。

a)
製品及びサービスに関する情報の提供

b)
引合い,契約又は注文の処理。これらの変更を含む。

c)
苦情を含む,製品及びサービスに関する顧客からのフィードバックの取得

d)
顧客の所有物の取扱い又は管理

e)
関連する場合には,不測の事態への対応に関する特定の要求事項の確立

 

8.2.1.1 顧客とのコミュニケーション-補足

 記述された又は口頭のコミュニケーションは,顧客と合意した言語によらなければならない.組織

は,顧客に規定されたコンピュータ言語及び書式(例 CADデータ,電子データ交換)を含めて,必要な情報を伝達する能力をもたなければならない.

 

8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化

 . ISO90012015要求事項参照

8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化

顧客に提供する製品及びサービスに関する要求事項を明確にするとき,組織は,次の事項を確実にしなければならない。

a) 次の事項を含む,製品及びサービスの要求事項が定められている。

1)
適用される法令・規制要求事項

2)
組織が必要とみなすもの

b) 組織が,提供する製品及びサービスに関して主張していることを満たすことができる。

8.2.2.1 製品及びサービスに関する要求事項の明確化-補足

 これらの要求事項には,製品及び製造工程について組織の知識の結果としてリサイクル,環境影響及

び特性を含めなければならない.

 

ISO90018.2.2 a1)への適合には,材料の人手,保管,取扱い,リサイクル,除去,又は廃棄に

関係する,全ての該当する政府の,安全規制及び環境規制を含めなければならない.しかし,それに限

定されない.

 

8.2.3 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー

8.2.3.1

 ISO90012015要求事項参照

8.2.3.1 組織は,顧客に提供する製品及びサービスに関する要求事項を満たす能力をもつことを確実にしなければならない。組織は,製品及びサービスを顧客に提供することをコミットメントする前に,次の事項を含め,レビューを行わなければならない。

a)
顧客が規定した要求事項。これには引渡し及び引渡し後の活動に関する要求事項を含む。

b)
顧客が明示してはいないが,指定された用途又は意図された用途が既知である場合,それらの用途に応じた要求事項

c)
組織が規定した要求事項

d)
製品及びサービスに適用される法令・規制要求事項

e)
以前に提示されたものと異なる,契約又は注文の要求事項

組織は,契約又は注文の要求事項が以前に定めたものと異なる場合には,それが解決されていることを確実にしなければならない。

顧客がその要求事項を書面で示さない場合には,組織は,顧客要求事項を受諾する前に確認しなければならない。

 

注記 インターネット販売などの幾つかの状況では,注文ごとの正式なレビューは実用的ではない。その代わりとして,レビューには,カタログなどの,関連する製品情報が含まれ得る。

8.2.3.1.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー-補足

 組織は,正式なレビューのための,ISO90018.2.3.1に述べられている要求事項に対する顧客

正式許可した免除の,文書化した証拠を保持しなければならない..

 

8.2.3.1.2 顧客指定の特殊特性

 組織は,特殊特性の指定,承認文書及び管理に対する顧客要求事項に適合しなければならない.

 

8.2.3.1.3 組織の製造フィージビリティ

 組織は,組織の製造工程が一貫して,顧客の規定した全ての技術及び生産能力の要求事項を満たす製品を生産できることが実現可能か否かを判定するための分析を実施するために,部門横断的アプローチを利用しなければならない.組織は,このフィージビリティ分析を,組織にとって新規の製造技術又は

製品技術に対して及び変更された製造工程又は製品設計に対して実施しなければならない..

 

 加えて,組織は,生産稼働,ベンチマーキング調査,又は他の適切な方法で,仕様どおりの製品を要求される速度で生産する能力の妥当性確認を行うことが望ましい.

 

8.2.3.2

 ISO90012015要求事項参照.

8.2.3.2    組織は,該当する場合には,必ず,次の事項に関する文書化した情報を保持しなければならない。

a)
レビューの結果

b)
製品及びサービスに関する新たな要求事項

8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更

 ISO90012015要求事項参照

8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更

製品及びサービスに関する要求事項が変更されたときには,組織は,関連する文書化した情報を変更することを確実にしなければならない。また,変更後の要求事項が,関連する人々に理解されていることを確実にしなければならない。

8.3 製品及びサービスの設計・開発

8.3.1-般

 lSO90012015要求事項参照.

8.3.1-般

組織は,以降の製品及びサービスの提供を確実にするために適切な設計・開発プロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。

8.3.1.1製品及びサービスの設計・開発-補足

ISO90018.3.1の要求事項は,製品及び製造工程の設計・開発に適用し,不具合の検出よりも不具合の予防を重視しなければならない.

 

 組織は,設計・開発プロセスを文書化しなければならない.

 

8.3.2 設計・開発の計画

 ISO90012015要求事項参照

8.3.2 設計・開発の計画

設計・開発の段階及び管理を決定するに当たって,組織は,次の事項を考慮しなければならない。

 

 

a)
設計・開発活動の性質,期間及び複雑さ

b)
要求されるプロセス段階。これには適用される設計・開発のレビューを含む。

c)
要求される,設計・開発の検証及び妥当性確認活動

d)
設計・開発プロセスに関する責任及び権限

e)
製品及びサービスの設計・開発のための内部資源及び外部資源の必要性

f)
設計・開発プロセスに関与する人々の間のインタフェースの管理の必要性

g)
設計・開発プロセスへの顧客及びユーザの参画の必要性

h)
以降の製品及びサービスの提供に関する要求事項

i)
顧客及びその他の密接に関連する利害関係者によって期待される,設計・開発プロセスの管理レベル

j)
設計・開発の要求事項を満たしていることを実証するために必要な文書化した情報

8.3.2.1設計・開発の計画一補足

 組織は,設計・開発プロセスに,影響を受ける全ての組織内の利害関係者及び,必要に応じて,サプ

ライチェーンを含めることを確実にしなければならない.そのような部門横断的アプローチを用いる領域の例には,次の事項がある.しかし,それに限定されない.

a)プロジェクトマネジメント(例えば,APQP又はVDA-RGA

b)代替の設計提案及び製造工程案の使用を検討するような,製品設計及び製造工程設計の活動

(例えば,DFM及びDFA

c)潜在的リスクを低減する処置を含む,製品設計リスク分析(FMEA)の実施及びレビュー

d)製造工程リスク分析の実施及びレビュー(例えば,FMEA,工程フロー,コントロールプラン及び標準作業指示書)

 

注記 部門横断的アプローチには,通常,組織の設計,製造,技術,品質,生産,購買,供給者,保全及び他の適切な部門を含める.

 

8.3.2.2 製品設計の技能

 組織は,製品設計の責任を負う要員が,設計要求事項を実現する力量をもち,適用されるツール及び手法の技能をもつことを確実にしなければならない.組織は,適用されるツール及び手法を明確にしなければならない...

 

注記 製品設計の技能の例の一つとして,デジタル化された数学的なデータの適用がある.

 

8.3.2.3 組込みソフトウエアをもつ製品の開発

 組織は,内部で開発された組込みソフトウェアをもつ製品に対する品質保証のプロセスを用いなければならない.ソフトウェア開発評価の方法論を,組織のソフトウェア開発プロセスを評価するために利用しなければならない.リスク及び顧客に及ぼす潜在的な影響に基づく優先順位付けを用いて,組織は,ソフトウエア開発能力の自己評価の文書化した情報保持しなければならない..

 

 組織は,ソフトウェア開発を内部監査プログラム(9.2.2.1参照)の範囲に含めなければならない.

 

8.3.3 設計・開発へのインプット

 ISO90012015要求事項参照

8.3.3 設計・開発へのインプット

組織は,設計・開発する特定の種類の製品及びサービスに不可欠な要求事項を明確にしなければならない。組織は,次の事項を考慮しなければならない。

 

 

a)
機能及びパフォーマンスに関する要求事項

b)
以前の類似の設計・開発活動から得られた情報

c)
法令・規制要求事項

d)
組織が実施することをコミットメントしている,標準又は規範(codes
of practice

e)
製品及びサービスの性質に起因する失敗により起こり得る結果

インプットは,設計・開発の目的に対して適切で,漏れがなく,曖昧でないものでなければならない。

設計・開発へのインプット間の相反は,解決しなければならない。

組織は,設計・開発へのインプットに関する文書化した情報を保持しなければならない。

 

8.3.3.1製品設計へのインプット

 組織は,契約内容の確認の結果として,製品設計へのインプット要求事項を特定し,文書化し,レビ

ューしなければならない.製品設計へのインプット要求事項には,次の事項を含める.しかし,それに限定されない.

a特殊特性8.3.3.3参照)を含む,しかし,それに限定されない製品仕様書

b)境界及びインタフェース要求事項

c)識別,トレーサピリティ及び包装

d)設計の代替案の検討

e)インプット要求事項に伴うリスク及びリスクを緩和する/管理する組織の能力の,フィージビリティ分析の結果を含む評価

f)保存,信頼性,耐久性,サービス性,健嵐 安全,環境,開発タイミング及びコストを含む,製品要求事項への適合に対する目標

g顧客から提供された場合,顧客指定の仕向国の該当する法令・規制要求事項

h)組込みソフトウェア要求事項

 

 組織は,現在及び未来の類似するプロジェクトのために,過去の設計プロジェクト,競合製品分析(ベンチマーキング),供給者からのフィードバック,内部からのインプット,市場データ及び他の関連する情報源から得られた情報を展開するプロセスをもたなければならない.

 

注記 設計の代替案を検討するアプローチの一つは,トレードオフ曲線の活用である.

 

8.3.3.2 製造工程設計へのインプット

 組織は,製造工程設計へのインプット要求事項を特定し,文書化し,レビューしなければならない.

これには次の事項を含めなければならない.しかし,それに限定されない

a特殊特性を含む,製品設計からのアウトプットデータ

b)生産性,工程能力,タイミング及びコストに対する目標

c)製造技術の代替案

d)もしあれば,顧客要求事項

e)過去の開発からの経験

f)新材料

g)製品の取扱い及び人間工学的要求事項

h)製造設計,組立設計

 

   製造工程設計には,問題の大きさに対して適切な程度で,遭遇するリスクに見合う程度のポカヨケ手法の採用を含めなければならない.

 

 

 

 

8.3.3.3 特殊特性

 組織は,顧客によって決定された,また組織によって実施されたリスク分析による特殊特性を特定するプロセスを確立し,文書化し,実施するために部門横断的アプローチを用いなければならない.それには次の事項を含めなければならない.

 

a)図面(必要に応じて),リスク分析(FMEAのような),コントロールプラン及び標準作業/作業者指示書における全ての特殊特性の文書化,特殊特性は,固有の記号で識別され,これらの各文書を通じて展開される.

b)製品及び生産工程の特殊特性に対する管理及び監視戦略の開発

c)要求がある場合,顧客規定の承認

d顧客規定の定義及び記号,叉は記号変換表に定められた,組織の同等の記号若しくは表記法へ

   の適合.記号変換表は,要求されれば顧客提出しなければならない.

 

8.3.4 設計・開発の管理

 ISO90012015要求事項参照

8.3.4 設計・開発の管理

組織は,次の事項を確実にするために,設計・開発プロセスを管理しなければならない。

a)
達成すべき結果を定める。

b)
設計・開発の結果の,要求事項を満たす能力を評価するために,レビューを行う。

c)
設計・開発からのアウトプットが,インプットの要求事項を満たすことを確実にするために,検証活動を行う。

d)
結果として得られる製品及びサービスが,指定された用途又は意図された用途に応じた要求事項を満たすことを確実にするために,妥当性確認活動を行う。

e)
レビュー,又は検証及び妥当性確認の活動中に明確になった問題に対して必要な処置をとる。

f)
これらの活動についての文書化した情報を保持する。

注記 設計・開発のレビュー,検証及び妥当性確認は,異なる目的をもつ。これらは,組織の製品及びサービスに応じた適切な形で,個別に又は組み合わせて行うことができる。

 

8.3.4.1監視

 製品及び工程の設計・開発中の規定された段階での測定項目を,定め,分析し,そして,その要約した結果をマネジメントレビューへのインプットとして報告しなければならない(9.3.2.1参照).

 顧客に要求される場合,製品及び工程の開発活動の測定項目は,規定された段階で顧客に報告する,又は顧客合意されなければならない.

 

注記 必要に応じて,測定項目には,品質リスク,コスト,リードタイム,クリティカルパス,などの測定項目を含めてもよい.

 

8.3.4.2 設計・開発の妥当性確認

 設計・開発の妥当性確認は,該当する産業規格及び政府機関の発行する規制基準を含む,顧客要求事項に従って実行しなければならない.設計・開発の妥当性確認のタイミングは,該当する場合には,必ず,顧客規定のタイミングに合わせて計画しなければならない.

 

 顧客との契約上の合意がある場合,設計・開発の妥当性確認には,顧客の最終製品のシステム内において,組込みソフトウェアを含めて,組織の製品の相互作用の評価を含めなければならない.

 

 

 8.3.4.3 試作プログラム

 顧客から要求される場合,組織は,試作プログラム及び試作コントロールプランもたなければならない.組織は,可能な限り,量産で採用する同一の供給者,治工具及び製造工程を使用しなければならない.

 

 タイムリーな完了及び要求事項への適合のために,全ての性能試験活動を監視しなければならない

 

 これらの業務をアウトソースする場合,組織は,アウトソースしたサービスが要求事項に適合することを確実にするために,管理の方式及び程度を品質マネジメントシステムの適用範囲に含めなければならないISO90018.4参照).

 

8.3.4.4 製品承認プロセス

 組織は,顧客に定められた要求事項に適合する,製品及び製造の承認プロセスを,確立し,実施し,維持しなければならない.

     

 組織は,自らの部品承認顧客提出するのに先立って,外部から提供される製品及びサービスをlSO90018.4.3によって承認しなければならない.

 

 組織は,顧客に要求される場合,出荷に先立って,文書化した顧客の製品承認取得しなければならない.そのような承認の記録は,保持しなければならない..

 

注記 製品承認は,製造工程が検証された後で実施することが望ましい.

 

 

8.3.5 設計・開発からのアウトプット

 ISO90012015要求事項参照

8.3.5 設計・開発からのアウトプット

組織は,設計・開発からのアウトプットが,次のとおりであることを確実にしなければならない。

a)
インプットで与えられた要求事項を満たす。

b)
製品及びサービスの提供に関する以降のプロセスに対して適切である。

c)
必要に応じて,監視及び測定の要求事項,並びに合否判定基準を含むか,又はそれらを参照している。

d)
意図した目的並びに安全で適切な使用及び提供に不可欠な,製品及びサービスの特性を規定している。

組織は,設計・開発のアウトプットについて,文書化した情報を保持しなければならない。

 

8.3.5.1設計・開発からのアウトプット-補足

 製品設計からのアウトプットは,製品設計へのインプット要求事項と対比した検証及び安当性確認ができるように表現しなければならない.製品設計からのアウトプットには,該当する場合には,必ず,次の事項を含めなければならない.しかし,それに限定されない.

 a)設計リスク分析(PMEA

b)信頼性調査の結果

c)製品の特殊特性

dDFSSDFMA及びFTAのような,製品設計のポカヨケの結果

e3Dモデル,技術データパッケージ,製品製造の情報及び幾何寸法と公差(GDT)を含む,製品の定義

f2D,製品製造の情報及び幾何寸法と公差

 (GDT

g)製品デザインレビューの結果

 

 

h)サービス故障診断の指針並びに修理及びサービス可能性の指示書

i)サービス部品要求事項

j)出荷のための包装及びラベリング要求事項

 

注記 暫定設計のアウトプットには,トレードオフプロセスを通じて解決された技術問題を含めることが望ましい.

 

8.3.5.2 製造工程設計からのアウトプット

 組織は,製造工程設計からのアウトプットを,製造工程設計へのインプットと対比した検証ができるように文書化しなければならない.組織は,そのアウトプットを,製造工程設計へのインプット要求事項と対比して検証しなければならない.製造工程設計からのアウトプットには,次の事項を含めなければならない.しかし,それに限定されない.

a)仕様書及び図面

b)製品及び製造工程の特殊特性

c)特性に影響を与える,工程インプット変数の特定

d)設備及び工程の能力調査を含む,生産及び管理のための治工具及び設備

e)製品,工程及び治工具のつながりを含む,製造工程フローチャート/レイアウト

f) 生産能力の分析

g)製造工程FMEA

h)保全計画及び指示書

  iコントロールプラン(附属書A参照)

j)標準作業及び作業指示書

k)工程承認の合否判定基準

1)品質,信頼性,保全性及び測定性に対するデータ

m)必要に応じて,ポカヨケの特定及び検証の結果

n)製品/製造工程の不適合の迅速な検札 フィードバック及び修正の方法

 

8.3.6 設計・開発の変更

 ISO90012015要求事項参照

8.3.6 設計・開発の変更

組織は,要求事項への適合に悪影響を及ぼさないことを確実にするために必要な程度まで,製品及びサ

ービスの設計・開発の間又はそれ以降に行われた変更を識別し,レビューし,管理しなければならない。

組織は,次の事項に関する文書化した情報を保持しなければならない。

a)
設計・開発の変更

b)
レビューの結果

c)
変更の許可

d)
悪影響を防止するための処置

 

8.3.6.1 設計・開発の変更-補足

 組織は,組織又はその供給者から提案されたものを含めて,初回の製品承認の後の全ての設計変更を,取付時の合い,形状,機能,性能及び/又は耐久性に関する潜在的な影響に対して評価しなければならない.これらの変更は,生産で実施する前に,顧客要求事項に対する妥当性確認を実施して,内部で承認しなければならない.

 

 顧客から要求される場合,組織は,文書化した承認,又は文書化した免除を,生産で実施する前に顧

客から得なければならない.

 

 

 組込みソフトウェアをもつ製品に対して,組織は,ソフトウェア及びハードウェアの改訂レベルを変更記録の一部として文書化しなければならない.

 

8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理

8.4.1一般

 ISO90012015要求事項参照

8.4.1一般

組織は,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,要求事項に適合していることを確実にしなければならない。

組織は,次の事項に該当する場合には,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスに適用する管理を決定しなければならない。

a)
外部提供者からの製品及びサービスが,組織自身の製品及びサービスに組み込むことを意図したものである場合

b)
製品及びサービスが,組織に代わって,外部提供者から直接顧客に提供される場合

c)
プロセス又はプロセスの一部が,組織の決定の結果として,外部提供者から提供される場合

組織は,要求事項に従ってプロセス又は製品・サービスを提供する外部提供者の能力に基づいて,外部提供者の評価,選択,パフォーマンスの監視,及び再評価を行うための基準を決定し,適用しなければならない。組織は,これらの活動及びその評価によって生じる必要な処置について,文書化した情報を保持しなければならない。

8.4.1.1 一般-補足

 組織は,サブアセンブリ,整列,選別,手直し及び校正サービスのような,顧客要求事項に影響する全ての製品及びサービスを,外部から提供される製品,プロセス及びサービスの定義の範囲に含めなければならない.

 

8.4.1.2 供給者選定プロセス

 組織は,文書化した供給者選定プロセスをもたなければならない.選定プロセスには,次の事項を含めなければならない.

a)選定される供給者の製品適合性及び顧客に対する組織の製品の途切れない供給に対するリスクの評価

b)関連する品質及び納入パフォーマンス

c)供給者の品質マネジメントシステムの評価

d)部門横断的意思決定

e)該当する場合には,必ず,ソフトウェア開発能力の評価

 

  ほかにも供給者の選定基準には,次の事項を考慮することが望ましい.

 

  - 自動車事業の規模(絶対値及び事業全体における割合)

  - 財務的安定性

  - 購入される製品,材料,又はサービスの複雑さ

- 必要な技術(製品又はプロセス)

- 利用可能な資源(例 人材,インフラストラクチャ)の適切性

- 設計・開発の能力(プロジェクトマネジメントを含む.

- 製造の能力

- 変更管理プロセス

- 事業継続計画(例 災害への準備,緊急事態対応計画)

 

 

 

- 物流プロセス

- 顧客サービス

 

8.4.1.3 顧客指定の供給者(指定購買としても知られる)

 顧客に規定された場合,組織は,製品,材料,又はサービスを顧客指定の供給者から購買しなければならない.

 

 8.4の全ての要求事項(IATF169498.4.1.2の要求事項を除く)は,組織と顧客との間で契約によって定められた特定の合意がない限り,組織の顧客指定の供給者の管理に対して,適用される.

 

8.4.2 管理の方式及び程度

 ISO90012015要求事項参照

8.4.2 管理の方式及び程度

組織は,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,顧客に一貫して適合した製品及びサービスを引き渡す組織の能力に悪影響を及ぼさないことを確実にしなければならない。

組織は,次の事項を行わなければならない。

a)
外部から提供されるプロセスを組織の品質マネジメントシステムの管理下にとどめることを,確実にする。

b)
外部提供者に適用するための管理,及びそのアウトプットに適用するための管理の両方を定める。

c)
次の事項を考慮に入れる。

1)
外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を一貫して満たす組織の能力に与える潜在的な影響

2)
外部提供者によって適用される管理の有効性

d) 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが要求事項を満たすことを確実にするために必要な検証又はその他の活動を明確にする。

 

8.4.2.1管理の方式及び程度-補足

 組織は,アウトソースしたプロセスを特定する,並びに,外部から提供される製品,プロセス及びサービスに対し,内部(組織)及び外部顧客の要求事項への適合を検証するために用いる管理の方式及び程度を選定する,文書化したプロセスをもたなければならない.

 

 そのプロセスには,管理の方式及び程度を拡大する又は縮小する判断基準及び処置,並びに供給者のパフォーマンス,及び製品,材料又はサービスのリスクの評価に基づく開発活動を含めなければならない.

 

8.4.2.2 法令・規制要求事項

 組織は,購入した製品,プロセス及びサービスが,受入国,出荷国及び顧客に特定された仕向国の現在該当する法令・規制要求事項が提供されれば,その要求事項に適合することを確実にするプロセスを文書化しなければならない.

 顧客が,法令・規制要求事項をもつ製品に対して特別管理を定めているならば,組織は,供給者で管理する場合を含めて,定められたとおりに実施し,維持することを確実にしなければならない.

8.4.2.3 供給者の品質マネジメントシステム開発

 組織は,自動車の製品及びサービスの供給者に,顧客による他の許可[例 下記のa)]がない限り,

 

 

 

この自動車産業QMS規格に認証されることを最終的な目標として,ISO9001に認証された品質マネジメントシステムの開発,実施及び改善を要求しなければならない.この要求事項を達成するために,次の順序を適用することが望ましい.ただし,顧客によって他に規定されたときは,この限りではない.

a)第二者監査を通じたISO9001に対する適合

b)第三者審査を通じたISO9001に対する認証.

  顧客による他の規定がない限り,組織への供給者はISO9001に対する認証を実証しなければならない.実証するには認証機関が主に対象としている範囲はISOIEC17021へのマネジメントシステム認証が含まれるところで,正式に認められたIAF MLAInternationalAccreditation Forum Multilateral Recognition Arrangement)メンバーの認定マークをもつ認定機関が発行する第三者認証を維持する.

c)第二者監査を通じた,顧客が定めた他のQMS要求事項(例えばMinimum Automotive
Quality Management  System Requirementsfor
Sub-Tier Suppliers
MAQMSR]又はそれに相当するもの)への適合を伴うISO9001に対する認証

d)第二著監査を通じたIATF16949に対する適合を伴うISO9001への認証

e)第三者審査を通じた16949に対する認証

 (IATFが認めた認証機関による,IATF16949への供給者の有効な第三者認証)

 

8.4.2.3.1 自動車製品に関係するソフトウエア又は組込みソフトウエアをもつ製品

組織は,自動車製品に関係するソフトウェアの供給者,又は組込みソフトウェアをもつ自動車製品の

供給者に,その製品に対するソフトウェア品質保証のためのプロセスを実施し維持することを要求しな

ければならない.

 ソフトウェア開発評価の方法論は,供給者のソフトウェア開発を評価するために活用しなければなら

ない.リスク及び顧客へ及ぼす潜在的影響に基づく優先順位付けを用いて,組織は,供給者にソフトウェア開発能力の自己評価の文書化した情報を保持するよう要求しなければならない.

 

8.4.2.4 供給者の監視

 組織は,外部から提供される製品,プロセス及びサービスの内部及び外部顧客の要求事項への適合を確実にするために,供給者のパフォーマンスを評価する,文書化したプロセス及び判断基準をもたなければならない.

 

 最低限,次の供給者のパフォーマンス指標を監視しなければならない.

a)納入された製品の要求事項への適合

b)構内保留及び出荷停止を含む,受入工場において顧客が被った迷惑

c)納期パフォーマンス

d)特別輸送費の発生件数

 

 もし顧客から提供されれば,組織は,必要限度,次の事項も供給者パフォーマンスの監視に含めなければならない.

e)品質問題又は納期問題に関係する,特別状態の顧客からの通知

f)ディーラーからの遁却,補償,市場処置及びリコール

 

8.4.2.4.1 第二者監査

 組織は, 供給者の管理方法に第二者監査プロセスを含めなければならない.第二者監査は,次の事項に対して使用してもよい.

 

a)供給者のリスク評価

b)供給者の監視

c)供給者のQMS開発

d)製品監査

e)工程監査

 

最低限,製品安全/規制要求事項,供給者のパフオーマンス及びQMS認証レベルを含む,リスク分析に基づいて,組織は,第二者監査の必要性,方式,額度及び範囲を決定するための基準を文書化しなければならない.

 組織は,第二者監査報告書の記録を保持しなければならない..

 

第二者監査の範囲が供給者の品質マネジメントシステムを評価する場合,その方法は自動車産業プロセスアプローチと整合性がとれていなければならない

 

注記 手引は,IATF審査員ガイド及びISO19011に見いだすことができる.

 

8.4.2.5 供給者の開発

 組織は,現行の供給者に対し,必要な供給者開発の優先順位,方式,程度及びタイミングを決定しなければならない.決定をするためのインプットには次の事項を含めなければならない.しかし,それに限定されない.

a)供給者の監視(8.4.2.4参照)を通じて特定されたパフォーマンス問題

b)第二者監査の所見(8.4.4.1参照)

c)第三者品質マネジメントシステム認証の状態

d)リスク分析

 

 組織は,未解決(未達)のパフォーマンス問題を解決するため及び継続的改善に対する機会を追求するために必要な処置を実施しなければならない...

 

8.4.3 外部提供者に対する情報

 ISO90012015要求事項参照

8.4.3 外部提供者に対する情報

組織は,外部提供者に伝達する前に,要求事項が妥当であることを確実にしなければならない。

 

組織は,次の事項に関する要求事項を,外部提供者に伝達しなければならない。

a )提供されるプロセス,製品及びサービス

 

  b) 次の事項についての承認

1)製品及びサービス

2)方法,プロセス及び設備

3)製品及びサービスのリリース

c)
人々の力量。これには必要な適格性を含む。

d)
組織と外部提供者との相互作用

e)
組織が適用する,外部提供者のパフォーマンスの管理及び監視

組織又はその顧客が外部提供者先での実施を意図している検証又は妥当性確認活動

8.4.3.1 外部提供者に対する情報-補足

 組織は,全ての該当する法令・規制要求事項,並びに製品及び工程の特殊特性を供給者に引き渡し,サプライチューンをたどって,製造現場にまで,全ての該当する要求事項を展開するよう,供給者に

求しなければならない.

 

 

 

 

 

 

8.5 製造及びサービス提供

8.5.1 製造及びサービス提供の管理

ISO90012015要求事項参照

8.5.1 製造及びサービス提供の管理

組織は,製造及びサービス提供を,管理された状態で実行しなければならない。

管理された状態には,次の事項のうち,該当するものについては,必ず,含めなければならない。

a) 次の事項を定めた文書化した情報を利用できるようにする。

1)
製造する製品,提供するサービス,又は実施する活動の特性。

2)
達成すべき結果

b)
監視及び測定のための適切な資源を利用できるようにし,かつ,使用する。

c)
プロセス又はアウトプットの管理基準,並びに製品及びサービスの合否判定基準を満たしていることを検証するために,適切な段階で監視及び測定活動を実施する。

d)
プロセスの運用のための適切なインフラストラクチャ及び環境を使用する。

e)
必要な適格性を含め,力量を備えた人々を任命する。

f)
製造及びサービス提供のプロセスで結果として生じるアウトプットを,それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合には,製造及びサービス提供に関するプロセスの,計画した結果を達成する能力について,妥当性確認を行い,定期的に妥当性を再確認する。

g)
ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する。

h)
リリース,顧客への引渡し及び引渡し後の活動を実施する。

 

注記 適切なインフラストラクチャは,製品の適合を確実にするために必要な,適切な製造設備を含む.監視及び測定のための資源は,製造工程の効果的な管理を確実にするために必要な,適切な監視及び測定設備を含む.

 

8.5.1.1 コントロールプラン

 組織は,該当する製造サイト及び全ての供給する製品に対して,コントロールプラン(附属書Aに従って)を,システム,サブシステム,構成部品及び/又は材料のレベルで,部品だけではなくバルク材料を含めて,策定しなければならない.ファミリーコントロールプランは,バルク材料及び共通の製造工程を使う類似の部品に対して容認される.

 

組織は,量産試作及び量産に対して,どのようにつながっているかを示し(もし顧客から提供されれば)

 

 

 

設計リスク分析からの情報や,工程フロー図及び製造工程のリスク分析のアウトプット(FMEAのような)からの情報を反映する,コントロールプランもたなければならない.

 

 組織は,顧客から要求される場合,量産試作又は量産コントロールプランを実行したときに集めた測定及び適合データを顧客提供しなければならない.組織は,次の事項をコントロールプラン含めなければならない.

a)作業の段取り替え検証を含む,製造工程の管理に使用される管理手段

b)該当する場合には,必ず,初晶/終品の妥当性確認

c顧客及び組織の親方で定められた,特殊特性に施される管理の監視方法(附属書A参照)

d)もしあれば.顧客から要求される情報

e) 不適合製品が検出された場合,工程が統計的に不安定又は統計的に能力不足になった場合の,規定された対応計画(附属書A参照).

       

 組織は,次の事項が発生した場合,コントロールプランをレビューし,必要に応じて更新しなければならない.

f) 不適合製品を顧客に出荷したと組織が判断した場合

g) 製品,製造工程,測定,物流,供給元,生産量変更,又はリスク分析(FMEA)に影響する,

  変更が発生した場合(附属書A参照)

h)該当する場合には,必ず,顧客苦情及び関連する是正処置が実施された後

i)リスク分析に基づく,設定された頻度で顧客に要求されれば,組織は,コントロールプランのレビュー又は改訂の後で,顧客承認得なければならない.

 

8.5.1.2 標準作業-作業者指示書及び目視標準

 組織は,標準作業文書が次のとおりであることを確実にしなければならない.

a)作業を行う責任をもつ従業員に伝達され,理解される.

b)読みやすい.

c)それに従う責任のある要員に理解される言語で提供する.

d)指定された作業現場で利用可能である.

 

 標準作業文書には,作業者の安全に対する規則も,含めなければならない.

 

8.5.1.3 作業の段取り替え検証

 組織は,次の事項を実施しなければならない..

a)作業の立上げ,材料切替え,又は作業変更のような新しい段取り替えが実行される場合は,作業の段取り替えを検証する.

b)段取り替え要員のために文書化した情報維持する.

c)該当する場合には,必ず,検証に統計的方法を使用する.

 

 

d)該当する場合には,必ず,初品/終品の妥当性確認を実施する.必要に応じて,初品は柊品との比較のために保持し,終品は次の工程稼働まで保持することが望ましい.

e)段取り替え及び初品/終品の安当性確認後の工程及び製品承認記録を保持する.

 

8.5.1.4 シャットダウン後の検証

 組織は,計画的又は非計画的シャットダウン後に,製品が要求事項に適合することを確実にする

に必要な処置を定め,実施しなければならない..

 

8.5.1.5 TPMTotal productive maintenance

 組織は,文書化したTPMシステムを構築し,実施し,維持しなければならない.

 

 そのシステムには,最低限,次の事項を含めなければならない.

a)要求された量の適合製品を生産するために必要な工程設備の特定

ba)で特定された設備に対する交換部品の人手性

c)概観,設備及び施設の保全のための資源の提供

d)設備,治工具及びゲージの包装及び保存

e)該当する顧客固有要求事項

f文書化した保全目標,例えば,OEE(総合設備効率),MTBF(平均故障間隔)及びMTTR(平均修理時間),並びに予防保全の順守指標.保全目標に対するパフォーマンスは,マネジメントレビュー(ISO90019.3参照)へのインプットとしなければならない.

g)目標が未達であった場合の,保全計画及び目標,並びに是正処置に取り組む文書化した処置計画に関する定期的レビュー

h)予防保全の方法の使用

i)該当する場合には,必ず,予知保全の方法の使用

j)定期的オーバーホール

       

8.5.1.6 生産治工具並びに製造,試験,検査の治工具及び設備の運用管理

 組織は,該当する場合には,必ず,生産及びサービス用材科並びにバルク材のための治工具及びゲー

ジの設計,製作,及び検証活動に対して資源を提供しなければならない.

 

 組織は,次の事項を含む,組織所有又は顧客所有の生産冶工具であっても,これらの運用管理システムを確立し,実施しなければならない..

a)保全及び修理用施設並びに要員

b)保管及び補充

c)段取り替え

d)消耗する治工具の交換プログラム

e)製品の技術変更レベルを含む,治工具設計変更の文書化

f